どんぐりの家

あらすじ

田崎夫婦に圭子という女の子が誕生した。しかし発育が悪く、言葉らしい言葉を喋らない圭子に不安を抱いた母親は、2歳3か月になった圭子を医者に連れていくことにする。そこで圭子には知的障害と聴覚障害があると診断され……(第1話)。▼4歳になった圭子は、両親と共にろう学校の幼稚部に通い始める。同じクラスに清という少年がいたのだが、ある日ぱったりと登校しなくなってしまった。そして一週間後、再び幼稚部に現れた清と母親は……(第2話)。▼自分でスプーンを使って食事ができるようになった圭子。一方、清の家では、清を施設にいれようという話が持ち上がる。しかし夕焼けを見ようとしている清を見た母親は、もっと清と話をしてみたいという気持ちになる。その夜、家族で話し合い、清を施設には入れないと宣言する(第3話)。

著者 : 山本おさむ

山本 おさむ(やまもと おさむ、1954年2月16日 – )は、日本の漫画家。長崎県諫早市出身。『ぼくたちの疾走』などの青春漫画路線から、『遥かなる甲子園』以降、聴覚障害者などを取り上げた作品を多く描くようになる。こうしたテーマへの取り組みの意図は、エッセイ『どんぐりの家のスケッチ- 漫画で障害者を描く』(1998年刊行)に読むことが出来る。


これも学習漫画だ!推薦コメント

マンガがここまで表現できるのかと圧倒され、衝撃を受け、そして、人間の根元の部分を考えさせられる作品。耳が聞こえないことに加えて、知的や精神などの障害も重なった重複障害の子どもとその親、ろう学校の教師たちの物語。
重度の障害とともに生きる過酷さ、社会の冷たい偏見と差別、不十分な国の制度、それらの厳しい現実に苦悩する家族の姿。重たく暗い現実がそのまま表現され、描かれる。社会から見捨てられ、切り離され、ないものとして扱われてきたような現実を、人々にしっかりと伝えなければと叫んでいるかのように。そして、その現実の暗闇のなかにも、家族や教師たちの努力、そして何よりも本人の生きたい、つながりたいという強烈なエネルギーによって、小さくても美しく輝く光が見える。たとえできないことが多くても、できるようになることの尊さ、素晴らしさ。忘れかけていた大切なことを気づかされる。生きるとは何か。人間とは何か。そして、私たちが生きるこの社会はどうあるべきなのか。立ち止まって、考えさせられる作品だ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)